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2025.7.1

小袖-Tシャツ

小袖(こそで)とは、簡単に言えば、鎌倉、室町時代あたりから江戸時代までの着物です(元は平安時代、装束の下に着た下着でした)。現代の着物の原型です。

「小袖-Tシャツ」は、桃山時代の小袖をイメージしたTシャツです。


 

桃山時代の小袖

下の写真は、17世紀に描かれた「花下遊楽図(かかゆうらくず:狩野長信筆、東京国立博物館蔵)」です。

注目したいのは、裄の短さです。それぞれの登場人物の腕は、肘が隠れる程度の裄丈になっています。

 

参照:https://emuseum.nich.go.jp/detail?langId=&content_base_id=100159

 

桃山小袖がこちら。

参照:https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/184892

 

桃山時代は、女性も「おはしょり(腰あたりにたくし上げて、紐で括る身丈の調整)」無しで着用し、あぐらや立膝もできるようなスタイルでした。

それゆえ、桃山小袖の印象はずんぐりとして、17世紀の寛文小袖(かんぶんこそで:下の写真)と比べても、桃山小袖は身頃の丈が短く、袖が小さい(正確には袖幅(水平方向の長さ)が短い)ことがお分かりになると思います。

寛文小袖は、背の高い人がスラリと着てそうな印象ですが、日本人の体格がそんな急に進化したわけではなく、着用スタイルの変化です。

 

参照:黒綸子地波鴛鴦文様小袖

 

小袖-Tシャツ

確かに寛文小袖や、現代の着物の形は格好良いのですが、快適性という面では桃山小袖に軍配が上がります。

夏のTシャツには、桃山小袖の短めの袖が動きやすくピッタリです。

 

袖の振り・身八つ口

上掲の桃山小袖の現物は袖の「振り」がありません。つまり、袖付け(アームホール)が、上から下まで縫い付けられています。上の屏風絵1枚目も同様です。

一方、屏風絵2枚目は、おそらく子供達なので袖付けの下部は縫い付けられていません。

基本的に桃山小袖をベースにするならば、袖付けは縫い付けて、振りを無くす方がそれらしいなとは思うのですが、今回は快適性を考えて、袖の振りと共に、身八つ口(みやつぐち)も開けてあります。

身八つ口とは、袖付け下部、脇縫いの開いた部分です。元々は江戸時代に帯の幅が広くなり、締める位置も高くなった時に、腕の動きやすさに寄与する目的で付けられるようになりました(他のメリットもあります)。

振りと身八つ口があることによって、空気の出入りが増え、より快適性が増します。

 

直線裁断

袖付けを、着物と同じく直線で仕上げていることに加え、衿周りも前後差があまりありません。それゆえ、前後どちらを前にしても着用が可能です。

着丈に前後差をつけているので、お好みやご身長に合わせて、お召しいただけたらと思います。


 

素 材

今回発表する素材は全部で4種類です。Play KIMONOのコンセプト通り、それぞれに上質で贅沢な生地を使用しています。

 

KAJIF社

ポリエステル68%、コットン32%で構成され、それぞれの良いところが調和した、圧倒的に快適な合成繊維です。

ストレッチ、抗菌防臭、速乾、撥水と多機能でもあります。

最初に作ったサンプルがKAJIF社の生地で、私はひと夏の9割をこのTシャツで過ごすほど、毎朝、思わず手に取っていました。

 

色展開

ホワイト、グレー、ブルー、ボルドー、ブラック

 

リネン

特別に編んでもらったリネン100%のニットです。麻素材は、夏の着物でも人気の素材です。本当を言えば、着物でよく用いられるのは苧麻(ちょま:ラミー)という麻ですが、今回はリネン素材を選びました。

リネンも、吸水性、速乾性、通気性、丈夫さなどを兼ね備えた天然素材です。

糸に硬さがあるため、強い力で引っ張るとその部分が伸びてしまうなどもありますが、濡らせば元に戻ります(普通に着用する範囲は問題ないです)。濃い色は特に、初期のころ、色落ちの可能性があるので、分けてご洗濯ください。

ざっくりと編まれているので、かなりの透け感があります。それゆえ、このJUBAN - Tシャツは風が吹き抜ける感覚を持てる真夏に最適な一枚です。

 

色展開

ベージュ、グレー、紫、ブラック

 

和紙インレイ

和紙70%、ポリエステル30%で構成されます。

インレイ生地は、スウェット生地に似ていますが、よりしっかりとして伸びにくい特徴を持ちます。

和紙には、吸水性、速乾性、消臭、抗菌、水と脂の両方を吸い取るなど、その機能性には特筆すべきものがあります。肉厚の生地でありながら、70%も和紙が入った贅沢なJUBAN - Tシャツです。

 

歴 史

和紙の入った生地製造には高い技術が必要なため、最先端の素材とも思われていますが、昔から東大寺のお水取りで着用される紙衣(かみこ)として着用されている他、親鸞聖人が着ていたり、1000年以上、着物としても用いられて来た素材です。

現代の呉服市場でも、極めて少ない製品ですが、和紙を糸にして織り上げた紙布(しふ)などもあります。

Play KIMONOとも親和性が高い素材です。

 

季節感

4月〜11月など。

かなり厚手の頼れる生地感ゆえ、昨今の長い夏を鑑みて、春から秋まで使えるTシャツに仕上がっています。天然素材の快適性に加え、各種の機能性が、幅広い季節での着用を可能にします。

近く、発売予定の羽織コートと組み合わせることで、春先から晩秋までの活用が楽しみな一枚です。

 

色展開

ホワイト、ベージュ、ブルーグレー、ブラック

 

和紙天竺

和紙60%、ポリエステル40%で構成されるニットです。

天竺編みで、和紙インレイよりも薄く編み上がっています。

 

季節感

5月〜10月など。真夏を含めて、長く楽しめるTシャツに仕上がっています。

 

色展開

ホワイト、ベージュ、ブラック

 

 

補 足

KIMONOスカートも創りましたので、合わせて着用すると、より着物感を楽しめます。実際快適でもあります。

KIMONOフーディは、江戸時代以降の小袖から、現代の着物を含む袖をイメージして仕上げました。小袖Tシャツは夏にふさわしく、桃山小袖の活動性を活かした和服ですので、そんな時代性も合わせてお楽しみいただけたら嬉しい限りです。